WORKS
食を開く

「食べるって、どこまで食べる?」品川エトワール女子高等学校 2024年度「食と環境」の授業

CATEGORY
食を開く
DATE
2024年4月-2025年2月
URL
https://www.etoile.ed.jp/highschool/
KEYWORD
教育プログラム

「30年後の食生活を考える」—— 食べることの本質を探る1年間

2024年度の「環境実践」授業では、2年生(19名)を対象に、「30年後の食生活」をテーマに、環境問題や食品ロス、食の選択について探究しました。食品ロスやコンポスト、食べ物の循環、社会と環境のつながりを深く考える中で、「何を食べるか」ではなく、「どう食べるか」にフォーカスし、哲学的な問いと実践的な活動を交えた授業を展開しました。

今年の授業では、「食」を入り口にして、生徒たちが自分の在り方を考えることを目的としました。「環境問題に対して個人にできることは何か?」「大企業の取り組みに頼るだけではない行動とは?」といった問いを考え、環境問題を「意識高い話」にとどめず、日常の行動と結びつける学びを目指しました。

授業の流れとアプローチ

1学期:「食べる」を問い直す

1学期は、まず「食べる」という行為を哲学的に捉え直しました。

イントロダクション:食べることを考える理由
・「食べる」はどこまでが「食べる」なのか?
・「おいしい」はなぜ説明しづらいのか?
・食べる側、食べられる側の視点を考える

● どこどこマップの作成
・1週間の食事を振り返り、「自分が食べたものはどこから来て、どこへ行くのか?」を可視化
・「食品ロス」はどこで発生しているのか?

食品ロス・飢餓・貧困を学ぶ
・食品ロスの定義と実態を知り、社会問題との関連を考察
・レポート課題として、「食品ロス・飢餓・貧困の中で、解決が難しい理由を考える」

2学期:「食と環境のつながりを知る」

2学期では、食と環境の関係性に焦点を当てました。

映画『もったいないキッチン』鑑賞と議論
・食品ロスの発生場所や原因を知り、解決策を考える
・感想共有を通じて、多様な視点を知る

修学旅行の食レポート
・旅行先での食体験を記録し、食材の産地や流通経路を調査
・「サステナブルな食とは何か?」を探る

グミ研究プロジェクト
・グミの原材料・製造・市場・環境影響を調査し、レポート作成
・実際にグミを持ち寄り、成分や製造地を比較

3学期:「これからの食べ方を考える」

最終学期では、1年間の学びを総括し、生徒一人ひとりが「これからの食べ方」について考えました。

食べものがたりワークショップ
・自分の好きな食べ物・食の記憶を振り返り、食の価値観を整理
・紙皿に「食べものがたり」を描く

最終発表:「これからの食べ方」
・1年間の学びをもとに、自分自身の「これからの食生活」について言葉にする
・「環境」「社会」「自分」の観点から、未来の食との関わり方を表現

生徒の声と気づき

授業を通して、生徒たちは以下のような気づきを得たようです。

・「おいしい」は味だけではなく、状況や人との関係で変わることに気づいた」
・「食べることが環境や社会とつながっていると実感できた」
・「食品ロスの問題が、単に捨てることではなく、作ることから考えるべきとわかった」
・「これまで『食べること』を深く考えたことがなかったけれど、これからはもっと意識したい」


プロジェクト|品川エトワール女子高等学校 2024年度「食と環境」の授業
クライアント|学校法人藤華学院

Staff
Planner,Teacher|平井サトシ / 大森愛

honshokuの担当領域
・授業設計、カリキュラム作成(年間を通じた授業計画・教材制作)
・講義、ワークショップの実施(2年生対象の授業を担当)

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