たべものを包む経木「Ki.」販売中

知らないから使わない、はもったいない。01

honshokuのお店で発売中の
SHOKUDESIGN.japan 「Ki.」シリーズ。
料理をますますたのしくするこの経木は、
なにかと使えると、
料理好きのみなさんに評判です。

経木という道具に注目し、
どうして商品にしようとしたのか。
SHOKUDESIGN.japanの代表である
佐藤小夜子さんに
くわしくお話をうかがいました。
インタビューの模様は
数回にわけておとどけします。

佐藤小夜子さんについてご紹介

佐藤小夜子(さとうさよこ)
管理栄養士
栄養教諭・幼児食アドバイザー
SHOKUDESIGN.Japan代表
管理栄養士として
大手医薬品商社、医療機関に勤務。
2,000人以上の栄養指導を経験。
病院管理栄養士として
生活習慣病に特化した医療栄養学を学ぶ。
SHOKUDESIGN.Japanを立ち上げ、
「栄養と彩りある食卓をデザインする」を
コンセプトにジャンルを問わず活動中。
ウェブサイト:https://www.shokudesign-japan.com
Instagram:@shokudesign.japan

経木が広まってくれたら、本当にうれしい

佐藤
こんにちは。
平井
サヨさん、こんにちは。
きょうは、SHOKUDESIGN.japanの
「Ki.」について、
いろいろ話を聞かせてください。
脱線するかもしれないけど。
佐藤
はい、よろしくお願いします。
今回、「Ki.」シリーズを
企画するにあたって、
阿部経木店さんに
お声がけしたんですけど。
平井
はい、阿部さん。
前に一度ご紹介いただきました。
佐藤
すごくお忙しい方で。
いま受注が増えているみたいです。
平井
そうなんですね。
人手が足りないんでしょうか。
佐藤
阿部経木店さんは
ご家族でやられています。
群馬で経木店は5軒しかなくて、
そのうちの1、2件が
もう閉じちゃうんですよ。
そこで溢れた案件が
流れてきたようです。
平井
その経木店も、
現役の方が引退したら
跡取りがいない状況なんですかね。
佐藤
後継者問題はありますね。
スーパーで肉や魚を包むのは、
プラスチックのパックが主流です。
それがむかしは、
ほとんど経木でした。
その時代に群馬は
一番生産量が多かったんですけど、
それは山に囲まれていて、
木が豊富にあるから。
それに、経木を多く使ってくれる
江戸、東京にも近い。
群馬は「からっ風」で
すごく綺麗に経木ができる。
でも、いまは後継者がいない。
ラップやプラ製品が流行って、
どんどん後継者がいなくなって。

平井
じぶんはいま、
実家が高崎にあるんで。
群馬の知りあいに
経木のことを聞いたんです。
やはり、経木を知らない人が多い。
佐藤
そうかもしれないですね。
平井
経木そのものを知らなかったり、
知っていても、
群馬が特産ということは知らない。
佐藤
うんうん。
全盛期は群馬に経木組合が
あったらしいですよ。
平井
いまはないんですか?
佐藤
いまはないです。
経木店の数がないので、
組合も消滅しちゃったんですけど。
当時は職人さんも多かった。
平井
このまえ、
「経木」って本を買ったんですよ。
佐藤
え?!え?!それみたい!
平井
まだ、読み切れてないんですけど。
むかし書かれた本なので、
すこし読みにくいんです。
経木について知りたいから、
本を読むのが手っ取り早いかなと。
その本によると、
経木ってそもそも、
食べものでつかう以前に、
お墓の後ろにあるあれとか。
佐藤
えぇ、えぇ。
平井
そもそもあれがきっかけで、
そういう経木の歴史を書いた本。
佐藤
お経を読む木、ということで
経木っていう名前なんですよね。
平井
そうみたいですね。
むかしから木は、
いろんなつかい方をしていた。
そんなところに興味が湧きました。
佐藤
その本、読みたい。
知らなかったなぁ。
平井
どうやって阿部経木店さんと
お知り合いになったんでしたっけ?
佐藤
阿部経木店さんは、
夫の知りあいが4代目なんです。
この間ご紹介させていただいた…
平井
あの若い方ですよね。
はじめは紹介されただけですか?
いまみたいなことは
ぼんやり思いうかべながら、
経木をこういう商品にしようとか
考えていたんですか?
佐藤
4代目には会ったときからずっと、
「これは商品にした方がいい!」
て言っていて。
でもつき合っていくうちに、
それどころじゃない、
というのが伝わってきて。
どうやら手一杯なんですよ。
商品化まで余力がない。
だからまずは、
わたしが料理教室で経木をつかい、
生徒さんの反応をみて、
経木をたくさんの人に
広めていこうと思ったんです。
平井
うんうん。なるほど。
佐藤
そうこうするうちに
経木の商品化をはじめたんです。
平井
阿部経木店さんは、
どんなことを
「Ki.」に期待しているんでしょう。
佐藤
若い世代に経木が広がる
きっかけになるとうれしい、
とは話しています。
経木へのあたらしい視点。
そういうのは、
積極的に考えてくださっていて。
商品化に理解いただいています。
平井
へぇー。それはすばらしい。
佐藤
じぶんたちではやれないけど、
デザインする人間がたまたまいて、
もう「どうぞ、どうぞ」みたいな。
平井
なるほど。
うらやましい関係だなぁ。
平井
この商品が面白いなと思うのは、
初心者にもつかい方を
ちゃんと伝えてあげていますよね。
「BENTO SHEET」は、
おべんとうの底に敷いたり。
「ONIGIRI WRAP」は、
おにぎりを包んだり。
「FOOD SHEET」は、
アイデア次第で
いろんなつかい方ができて。
佐藤
はい。
平井
世の中のたくさんのひとは、
経木をどう使っていいのかさえ、
よくわからないと思うんです。
佐藤
そうですね。
いまの経木屋さんはどこも、
to Bで何千枚、何万枚を
大きなダンボールで
「ドン!ドン!」ていう納品です。
「Ki.」みたく数枚でパッケージした
個人向けの商品はあまりないです。
平井
そっか。
佐藤
量販店などには
別の経木商品は置いてあるんだけど
つかい方が書いていないですね。
平井
ほう。

佐藤
つかい方をご存知な方は買うけど、
知らないから使わない、
という方は多いと思います。
市村
うちの奥さんは、
おべんとうつくっていて、
いつも油の吸い加減が
気になっているらしく。
平井
お、市村くん。急な登場。
※市村くんは当日撮影してくれた
カメラマンです。
市村
おべんとうにつかう
プラ製カップあるじゃないですか。
ギザギザの。
あれ、質が良くないやつがあると。
平井
質が良くないとどうなるの?
市村
べんとう箱のなかで、
油が残っちゃう。
平井
あーはいはい。
食べ終わった後に、
油をはじいて残っちゃってる
あの感じか。
佐藤
ほうれん草のおひたしを
ギザギザのカップに入れても、
よくないものだと、
びちゃびちゃってなって…。
経木だとうまく吸ってくれます。
市村
ふつうに欲しい、ていうと思う。
平井
この「Ki.」のことを
まわりの人たちに話すと、
欲しい!ていう反応が
ものすごく多いんですよ。
佐藤
うれしいなぁ。
平井
じぶん用に買うのもいいけど、
プレゼントされたら嬉しいですよ。
ところで、
ちょっと聞きたかったのは、
経木ってやつはむかしから
個人向けの商品として
成立していたんですかね?
佐藤
うーん…。
平井
to Bの話もありましたけど、
そういった商品は
あったんでしょうけど。
佐藤
全盛期だった過去に
個人向けの商品はあったのか。
平井
そう。
たとえば家庭で
「あら、経木切れちゃったわ。
買いに行かなきゃ」
なんて会話はあったんですかね。
佐藤
いやー、なかったかも。
そこはちょっとわからないですね。
阿部経木店さんに聞いてみたいな。
平井
そのことがすごく
気になっていたんです。
もともと、文化・習慣として
経木は個人向けの商品だったのか。
佐藤
ふんふん。
平井
それとも、
個人向けの商品でなかった経木を、
「Ki.」という商品にしたのか。
このちがいは大きいと思うんです。
佐藤
そうですね。
たぶん平井さんのいう
後者だと思います。
もともと個人向けに売ることは
なかったのでは。
肉屋や魚屋で買うものは
経木に包まれていて、
そのまま冷蔵庫に入れますし。
平井
そうかぁ。
たしかに、ぼくの親世代とか
おじいちゃんおばあちゃん世代が、
じぶんで経木を買って
つかっていたかというと、
そんなことなかった気がする。
佐藤
経木が広まってくれたら、
本当にうれしいです。
経木店の後継者問題が
クリアになるといいなとおもって
「Ki.」をはじめたんです。
職人仕事で後継者がいないと
成り立たない仕事なので。
平井
なるほど。
そんな職人仕事の現場は
見られたんでしたっけ?
佐藤
はい、取材しました。
平井
どういうところに「職人の仕事」が
されているんですか?
佐藤
経木の厚みの設定や、
大量の経木の束ね方、
そして、それらの数え方とか。
何回かやっただけではできない
職人の仕事がそこにありました。
平井
機械に頼らず、
感覚でやる工程もあるんですか?
佐藤
はい、あります。
平井
ボタンひとつで、
シャッシャッて
生産できるものではない。
佐藤
あーそうですね。
職人ありきの商品ですよね。
だからどうしても
単価が高くなっちゃうんですけど。
平井
なるほど。
一度見てみたいなぁ。
佐藤
ぜひ。そうしたら私もお供します!
(つづきます)

たべものを包む経木「Ki.」販売中

群馬県・みどり市にある阿部経木店でつくられているSHOKUDESIGN.japanの「Ki.」シリーズは、天然の赤松を使用した、薬品など一切不使用の経木です。

おにぎりからでる湿気をじょうずに吸いとり、おひつに入れたようにおいしくする「ONIGIRI WRAP」。落しぶたに使ったり、冷蔵庫で保存する肉や魚を包んだり使いかたはアイデア次第「FOOD SHEET」。おべんとうの底に敷くと、汁気や油を吸いとってくれる「BENTO SHEET」。

職人により丁寧につくられた経木は、日々の食卓をあたたかく彩ってくれます。じぶんのうち用としても、料理好きな人へのプレゼントにも。どうぞ、おためしください。

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