honshokuの仲間たち

ホンショク平井の論考 002

どうにもむずかしい。いなりずしをじぶんで
つくるってのは。シンプルないなりずしだったら、
材料なんて、おコメ、油あげ、あとはお酢やら砂糖やらの
調味料だけだよ。それなのに、できあがりの味は
毎回ちがって、ちっとも落ちつかない。

おいしい、と言えるものにはなるんだけど、
70点とか80点あたりをウロウロしている。
どうにも満足のいくものができない。

好きな食べものはなに?て聞かれたら、
素直に「いなりずしが、もうたまらない」と答える。
ちいさいころ、給食がない日に学校から帰えると、
母親がつくってくれたいなりずしのピラミッドが、
宝の山に見えていたもんだ。

好きないなりずしなもんだから、80点の出来でも、
うれしそうに食べられちゃう。
好きっていうことはそういうもんだ。

もしかしたら、そんなだからいなりずしづくりが
まるきり上手にならないのかもしれない。
大好物ではないメニューほど、
出来が100点以上でないと満足できないから、
無意識にがんばってつくっているのかもしれない。

大好物相手だとそこにゴールはなくて、
つねにその先を追っているわけなんだろうね。

(honshoku/平井巧)