平井巧のコラム

女子大生のタピオカとなにがちがうのか。

ここさいきん、ある女子大学の講義で
ゲストによんでもらい数日参加していた。
講義名は、ソーシャル・デザイン・プロジェクト。

受講者数は定員をオーバーしたようで
たぶん 50名近くいた。
みんな興味あるテーマなんだねー。

学生たちには「フードロスをテーマに、
企画展への出展作品をつくる」
という課題があたえられている。
芸術系の学生ではないわけだから、
独創性や緻密な造作など
作品のクオリティをもとめることはない。
フードロスへの「問い」をつくって、
ことばにならないものを形にしよう、
というのがねらい。
何人かで1チームになって作業をすすめていく。

そして、作品の最終発表の日。

いわゆる「映える」スイーツや、
タピオカミルクティーみたいな
流行りのドリンクを、
写真だけ撮ってSNSに投稿。
注文したものはすこし食べたり、
食べなかったりしてその場ですてる。
そんなことがいま、
街でおきているよくない行動として
あちらこちらで取りあげられている。

こういうのって良くないことだよね。
なんでそんなことするんだろう?
こんな「問い」をテーマに
作品をつくったチームがいた。
講義テーマをちゃんとくんでいて
素直ないいチームだ。感心。
ところで彼女らに気になることをきいてみた。

「みんなは投稿だけしてすてるということはするの?」

「正直しちゃいます」

「これをテーマにしたということは、違和感もっているの?」

「よくないことだとは思っているんですけど、ついやっちゃいます」

ふむ、なるほど。
彼女たちを責めるつもりはもうとうない。
僕も似たようなことはしている気がする。
気がするというのは、
じぶんで気づいていないんだよ、じっさい。
「いいね」欲しさに、投稿していることに。

いいね欲しさが先行するわけじゃなくて、
たとえば旅行をたのしんでいる中で
いい写真が撮れたから投稿しているつもり。
それって、街のタピオカとどうちがうのか。
おなじじゃないか。おなじだよー、きっと。

僕だって、環境に良くないものをつかったり、
食べものをすてたりする。
そこにはいろいろな理由があって、
気づかないうちにやっていたりもする。
無意識だし仕方のないことなんだよ、
というのは、じぶんへの「いいわけ」でもあるんだ。

SNSヤプラスチック製品、タピオカミルクティーに罪はない。
ぜんぶ人が生みだしたものだし、それをつかうのも人なんだ。

2019-07-09