平井巧のコラム

棄てられる野菜を救え!それは勝手な話ってもんだ。

きのう東京農業大学で開いた
フードロスの学校」の講義2回目。
10月に開いた1回目の講義につづき
やっぱりおもしろかった。

今回のゲスト講師は、
八王子で新規就農した舩木翔平さん。
講義テーマは、生産現場×フードロス。

やっぱりよく耳にするのは、
生産現場でのフードロスを救わなきゃ!
という声だったりするけど、
このことには、いままでもずっと疑問だった。

なんとかしなきゃならないものは
できることなら、なんとかしたいけど、
誰のために救うのかよくわからないのと、
そもそも救うべきものなのか、
ということがぜんぜんわからない。

せっかくフードロスの学校をやるなら
生産現場ではたらく人の話は
聞いてみたいと、まぁ、ずっと思っていた。

舩木さんは農大の卒業生ということもあり
この企画でいっしょに動いている
「だんどり」の矢野さんに
紹介してもらい、今回お招きできた。

舩木さん曰く、
生産したものを現場で棄てていることは
もちろん事業としてやっている以上、
わかってはいる。
でも「フードロス」としては
あまり意識していない。
ぼくは、舩木さんの話をずっと聞いていて
野菜を棄てる、という「事実」としてのみ
「認識しているだけ」といった印象を受けた。
いわゆる一般的に言われている
「もったいない」という思いとは
ちょっとちがうのだろうと思った。

これには、受講者のみなさんも
少なからず衝撃をうけたのではないだろうか。
ぼくは受けたし、考えさせられた。
まず、そのことを丁寧に話してくれた
舩木さんに感謝した。
こういったことをあの場で人に言うのは
なかなかすごいことだと思うなぁ。

でもフードロスの学校を受講した方たちは、
いまの世間で言われているフードロスについて
はなれた距離から見てみたい方たちのはずで、
昨日の舩木さんの話は、衝撃を受けながらも
きっと思考を巡らせる助けになったと思う。

「農業」の2文字に入っている「業」の字。
やっていることは「業」つまり仕事である。
農大に関わりはじめたときに聞いて
最初に心に残ったことば。
舩木さんもおなじようなことを話していた。

工業品に近いのかもしれない。
農作物も「商品」をつくっている感覚。
そりゃそうだよねー。それで舩木さんたちは
お金を稼いで暮らしているんだもんね。

その辺の事情をよく見ていないで
生産地で棄てられている野菜を救え!
なんて外野が言っていても、
それは勝手な話ってもんだ。

あ、そうそう。
そういえば以前サルパに参加してくれた
小学4年生の女の子も受講しに来てくれた。
これはうれしかったなあ。


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