夏なのに冷たい飲み物よりも、あたたかい飲み物を選ぶようになった。年齢のせいだろうか。最近、すぐに身体が冷えてしまう。冷房の効いた喫茶店なんかに入ると、店内に入ったそのときは気持ちが良いんだけど、ものの1、2分で「寒い!」となってしまうことが、もう経験でわかっているから、アイスコーヒーではなくて、ホットコーヒーにしておこうか、となる。

冷たい飲み物はいいやつなんだけど、なんだかノリのいい若者的な印象があって、「こっちにもお前を受け入れるだけの元気がないと、ちょっと疲れちゃうんだ、ごめんね」となる。この感じ、わかりますかね。そういえば、アイスの飲み物はどんどんデコレーションしていくもんね、この辺もやっぱり若者っぽい。

その点あたたかい飲み物は、人生経験を積んで、世の中の裏も表も知り尽くした大人な印象があるから。だからやさしいよ、あたたかい飲み物は。

とくにいちばんやさしい飲み物は、白湯だとおもう。ミネラルウォーターとして冷たい水はあるのに、白湯をメニューにしているお店って、なぜだかないよね。自販機にもないし。

子供の頃に否定していた食べ物や飲み物を、好きだなぁと思うときって突然現れる。それに気づけた時が、おもしろい。

(平井巧)