料理の盛りつけってとても大事。同じ料理でも盛り方ひとつでおいしそうに見えればおいしくなさそうに見える。

その最たるものの1つが、焼魚だと思っている。

こんがりと焼いた皮が見える鯵の干物や鯖の塩焼きは、いかにもおいしそう。でも、これが裏返しになっていて、皮でなく身が見えるように盛られていたら、その魅力は半減してしまう。

食べ始めるときは、焼いてパリッとした皮に箸を入れたい。それから、初めて身をほぐす。皮と身を一緒に食べる。この順番が良い。

ところが、身が上になってしまうと、いきなり身に箸を入れなければならない。あの皮の香ばしさがなく、どうも物足りない。そして、食べ進めていくうちに、身に押しつぶされて蒸気でデロデロになった気の毒な皮が見えてくる。こうなった皮は脂っぽくて香ばしさもなく、食指が動かない。

おそらくだけど、飲食店では9割以上は「皮が上」派。一度だけ、「身が上」派だったのは、イスタンブールの日本料理店。海外の日本料理店では現地の“新・日本料理”を楽しむようにしているけど、このときばかりは「あーわかってないなー」と心の中で密かに日本人風を吹かせていた。

でも、1つだけ例外がある。ホッケだ。なんでホッケだけ「身が上」派が一般的なんだろう。皮がおいしそうに見えないからだろうか。あるいは、身のシズル感によほど自信があるからだろうか。

実はホッケって特に好きなわけではないので積極的に食べない。ホッケそのものが好きではないのか、「身が上」派だから好きではないのか、自分でもよくわからないのがおもしろい。

(柏木智帆)