イスタンブールには「鯖サンド」がある。地元で水揚げされた焼いた鯖をパンで挟んだもので、最近は日本でもよく見かける。

でも、鯖は塩焼きにして、添えた大根おろしにちょろっと醤油をたらして、ほかほかのごはんと一緒に食べるのが一番おいしいと思っている。

そこで、イスタンブールへ行って鯖サンドを食べてみた。

パンに挟まれている鯖とトマトの相性が抜群においしい。程よく脂の乗った鯖と、さっぱりとしたトマト。鯖の塩気は少ないけど、パンのほんのりとした塩気との相性がちょうどいい。そして、この国のパンは外がカリカリで中がもっちり。そのへんの屋台で売っているパンも、レストランのパンも、ホテルのパンも、大抵おいしい。

でも、やっぱり、塩を効かせて焼いた鯖に、醤油をたらりとかけた大根おろしを添えて、ほかほかの白ごはんを食べたい。

そこで、イスタンブールにある日本料理店へ行って、鯖の塩焼き定食を注文。ところが、焼いた鯖と一緒に出てきたごはんは、トルコ産の長粒種で、パサパサとしていて舌触りがザラザラ。

 

 

あんなに「鯖にはパンよりごはん!」と思っていたのに、ごはんを食べ終えるころには、鯖の塩焼き定食よりも鯖サンドに対する自分の評価が急激に上がっていた。

パンがおいしいトルコでは、鯖にはパン。お米がおいしい日本では、鯖にはごはん。それぞれの国のおいしい食べものに合った食べ方が存在する。

鯖の塩焼き定食がおいしいのは、日本のおいしいごはんのおかげ。そう思うと、鯖の塩焼き定食のメインは「鯖の塩焼き」でなく「白ごはん」に思えてくる。

(柏木智帆)