実家に寄ったら、母がブリのアラでアラ大根を作ってくれていた。

「アラって食べるところあんまりないよね」と言う人もいるけど、そこがアラの魅力。骨と骨の隙間に箸先を入れて、身をちまちまほじほじ。そうして微妙に大きめな身を引き出せたときの喜びはひとしお。

だから、たとえば親切な人が身をほじってくれたら、アラの魅力はなくなってしまうと言っていい。骨の隙間に潜む身のおいしさという魅力はもちろんあるけど、やはりアラの魅力は身をほじる作業に詰まっている。

学生時代、家族が誕生日のお祝いをしてくれた。誕生日といえば、ケーキ。でも、ケーキが好きではない私に気を回した母が「ケーキの代わりになにがいい?」と聞いてきた。「マグロの目玉」と答えると、誕生日には神奈川県三浦市の魚市場で仕入れてきたマグロの目玉を母が煮付けてくれた。

そして、マグロの目玉のまわりに潜む身をちまちまほじほじ。素晴らしき誕生日の思い出。

(柏木智帆)