雑誌やテレビやサイトで、たまに「ごはんのおとも特集」とか「めしのともランキング」というものを見かける。

缶詰や瓶詰めなど、手軽にごはんが食べられる商品が紹介されているけど、大抵そそられない。

奇をてらわない(シンプル)、ヘビーではない(ごはんそのものも味わうことができる)、ごはんが進む(塩っ気がある)、高価でない(ハレでなくケ)というのが、ごはんのおともの条件だと思っている。

紹介されているごはんのおともの中で「食べたい!」と思うものは、塩引き鮭だったり、いくらの醤油漬けだったり。同じあらほぐしの塩鮭の瓶詰めといっても製造会社によってもちろん差異はあるけど、「うん、おいしいだろうね」と思うだけで、あえて買おうと思わない。

それに、これを言うと元も子もないけど、やはりじゅうじゅうと焼いた塩引き鮭を熱々のうちに食べるほうが断然おいしくて、ごはんが進む。

というわけで、わくわくして見始めた「ごはんのおとも特集」や「めしのともランキング」は、見終わる頃には大抵がっかりしている。◯◯のラー油漬けとか、◯◯マヨとか、甘過ぎそうな佃煮などの情報は、心にかすりもせずに通り過ぎてゆく。「ごはんのおとも」とか「めしのとも」というフレーズに懐疑的になりつつあった。

でも、ついに出会った。「金山寺納豆」に。

金山寺味噌でなく、金山寺納豆の瓶詰め。知っている人もいるんだろうけど、食べたことがなかった。どんな味なんだろうと思って食べてみたら、何コレ、ごはんが進みすぎる。原材料は、米麹、醤油、みりん、納豆、塩昆布、人参。食べると、醤油と米麹の香り、米麹とみりんの自然な甘さ、ほんのりと感じる納豆の風味、人参と塩昆布の歯ごたえが、ものすごいハーモニーを奏でながら、白ごはんを誘う。金山寺納豆があれば、日本の米消費量はアップするように思う。

金山寺納豆のおかげで、日常がほんの少しウキウキしている。食べものにはそういう力があると思うし、人って意外とそんな単純なところがあるのだと思う。

(柏木智帆)